さざなみ
思いつきで口走った台詞を、
その指先は、どう受け止めるだろう。
気付いていた。
もうずっと前から、知ってた。
「なぜなくの」
ぼくの目は、色を、映さない。
ぼくの目は、青を、しらない。
「ねぇ」
ぼくの涙は、一体、どんな色をしてるの。
「そばにいなくていいよ」
かなしくなるから。
「あいさなくて、いいよ」
愛せなくなるから。