曇天のもとで傷に濡れた肌
湿り気と
傘を握る手からにじむ
それに
気付く

雨がふればいいのに
躰じゅうから溢れる蔦を
絡め取るようにして飲み込めるよう
吐き出すことをやめて
あたらしいものが零れるのを待とう

雨がふればいいのに
呼吸をやめたこの躰を
異国の海へと運んでおくれ

諦めることも
探すことも
飽きたんだ
きみ以外を
愛すことも