晩餐

思わず舌なめずり
夜がくれたとっておきに
今夜のごちそうは
ぼくらがこぼしてった寂しさだ

悲しい目をした影が
召しませ、と
差し出す心臓


汚れた手で拾い集めて
飲み込めば星になると信じてた
丁寧な咀嚼を繰り返しながら
行くあてもないなってぼんやり思った


(Merci pour le repas delicieux.)