かたちなきもの

仄暗い部屋の傍らで
うずくまる絶望をそっと撫でて
あなたは
どんな顔で微笑みかけようというのですか。

落としてきました。
いくつも
何度も
呼吸を続けてきた証を
その手でなくしました。

欲望にかられますか。
劣情に泣きますか。
正しいものなど
誰も望んではいませんけれども。