11月のメランコリア

たった一人で死んだ
永遠なんて信じてなかったから

前触れもなく塔が焼ける
未だ見たことのない鳥が空に堕ちる
幕切れは意外に早かったね
もう少し愛していれるとおもったのに

歩くことをやめた
信じてきたものはどこにもない
ねえ もしもあの月が完璧じゃないなら
今よりは簡単に呼吸を続けていられたかな


ぼくは何になれただろうね
こたえは もういらない


やわらかい光のなか
優しい熱が息を吹き返す場所
せめてぼくの望んだ場所であるように
この場所がそうであるように

手に入れられなかったもの
手に取らなかったもの
欠片も残せないだろうぼくの骨には
誰の名を刻んだって構わないから