まるで、
奪い尽くしたいのは唇のほかにあった
踏み外した階段は17段
願ってもなかった体温
もう少し力を込めればその背骨は泣き出すかな
こわくなんてないさ
ただもうすこし子どもでいたかっただけ
溺れるような嬌声
堕ちて堕ちてゆく鼓動の高鳴り
舐めまわしたなら溶けてしまえばいい
目覚めの無い夜に溶けてしまえばいい
蔑まれ続けた手を
まさかぼくがすくい取るだなんて
あなたですらも予想し得なかっただろうね
貪るように幕を下ろした空も
目を背けるように沈んでいった月も
だれも知らない
この場所はまるでエデン
うまれたときから贋物であるぼくの
レプリカでしかないただ一つのエデン