白昼夢

眠りにつくころ
ぼくらがいつでも思い出したのは排泄されていった子どものうた
用水路に流れ着くころにはどんな姿になっていただろうね

思えばあれは絶望でも悲愴でもなかった
ただひとつの密やかな終焉
きみが手をとる一瞬を何度も何度も繰り返し網膜に焼き付ける
祈るような儀式の結末だった


ころされていく蝶のようではないですか
ひどく穏やかなのです
ひどく美しいのです
それはすべてが最後だとだれもがしっているから


庭に佇む幼いぼくは小鳥のような胸のうちで
くたばれ  と  ただつぶやく