眠りによせて
痛みを知らない子供がいるのなら
恐らく僕には救えない
救えなくても構わないから、せめて
傷つけることだけしたくないと願った
ただそれは
誰かの理想を押しつけられた
作られた神にではない
誰も救わない神にではない
この右手で壊してきた優しさを
睡眠薬に溶かして飲み干せたら
償えると信じていた愚かさ
許さなくて、いいよ
眠りによせて、僕を憎め
傷跡が産声を上げたのを
聞こえないふりして目を閉じたんだ
君を、裏切った
その手を、離した
傷つけた
その、瞳を
許さなくて、いいよ
眠りによせて
許すな
僕を