微熱

むせ返るほど倒錯する器官
地獄でさえもきみを救わない
流されていくだけの無罪にのせて
傷ついた指先でピアノを習う

完成しないまばたきほどに
不実な朝日を愛撫していく
ねえどうぞ
笑えなくなった道化に餞を

捨てられていく歌声たちに終わりはなく
ただきみが呼ぶのを待っていた
こうして忘れていくのだろう
きみの名を思い出せなくなるのだろう