春に死す

見てはいけない
いけないよ
ぼくの目には眩しすぎる
死に向かう春の息吹

今にもこぼれそうな蕾が
時の流れを教えているのを
知らないふりした
もう帰らないことはわかっているのに
一番あいした時間をまだ探している

明日には終わる
無力なぼくの抵抗も
傷つけ合うだけの夜も