灰色の記憶

飽きるほど焼き付けた寝顔に触れて
確かな呼吸を探していた
狡賢い春風は唇を掠めて
溢れる記憶に花と散ってゆく

一人きりでどれだけ手をつなぐ真似をしても
祈るような姿にしかならないよ
きみがいないから
ねえ きみがいないから